表参道駅から徒歩2分に位置する「ZACC vie」は、トレンドをおさえつつも、一貫して健康的な髪のあり方を探究し続ける高橋和義氏プロデュースのヘアサロン「ZACC」の表参道店です。
女優やモデルなど“美”への関心が高い方々からも支持され続けている当サロンでスタッフを率いる大野喜郎氏に、ご自身の仕事に対する思いや、大人女性の髪悩みを解決する方法について伺いました。
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肩書きはサロンマネージャー。スタッフを掌握しようとせずにサポートする

――現在のお仕事について教えてください。
いまは「ZACC vie」の「サロンマネージャー」という肩書きでやっています。これまではプロデューサーという立ち位置だったんですが、「売上を立てる側」と「管理する側」っていう上下関係を極力排除して、関係性をフラットにしたいと思いました。
――いまは、美容師を教育する立場ですが、どのような指導をされていますか?
そうですね。ただ教育といってもいわゆる「修行」っていうかたちのものは時代的にも不似合いだと思うので、適切な目標を適切な時期に設定できるように、助言していくことですかね。いきなり“お客さまのために”っていう目標設定をしてもピンとこないと思うので。
各自の課題や希望から分析して、いまの時期だとこういう目標を立てるといいよっていう道筋を示してサポートできればいいなと思ってます。

――スタッフのみなさんがブローの練習などをなさってますが、この朝トレは毎日やっていらっしゃるのですか?
はい! スタッフが自主的に練習しています。お客さまが来てくださる前にこうして準備しておくことは大事で。一定の目標があって、それに向かって日々練習して積み重ねていると、自然とオーラが出ると思うんですよ。
なので、練習するスタッフに対しては、誤った技術にならないよう僕がチェックしています。
美容師は目立っちゃいけない。裏方に徹するのが大野さん流

――美容師を志すタイミングで仙台から上京されたのはなぜでしょうか?
手に職をつけたくて美容師を目指したんですけど、上京したのは「手に職をつけるんなら東京行って来い」って父親に言われて。自分としても、やるからには東京でやりたいという気持ちはありました。
――20年ぐらい前だと雑誌とかでもよく特集が組まれるなど、「カリスマ美容師」っていう言葉が流行ってましたが。
ちょうど僕が23歳ぐらいのときにブームがきて、美容師同士がバトルする『シザーズリーグ』というテレビ番組があって、それを観てくれた新規のお客さんがいっぱい来てくださった時期がありました。でも、ずっと違和感を感じていました。

――違和感というのは?
「美容師は目立っちゃいけない」「裏方でなくてはいけない」「主役はお客さま」っていう思いが昔からあるんですよ。ブームが来てるけど、ブームはやっぱり本質的なものではない。だから勘違いしたくないっていう思いがずっとありました。
――まわりで天狗になっている人を見てそう思われたんですか?
そういうわけでもなくて、僕はもともと人前に出るタイプではないですし、そもそも取材はほとんど受けないので。人見知りのせいで、お客さまとのコミュニケーションもいまだにうまく取れないですし(苦笑)。そのぐらい初対面って苦手なんですよ。

(※ 画像はイメージです)
――日頃はお仕事でお忙しい大野さんですが、貴重な休日は何をなさってるんですか?
休みの日はもっぱら身体のメンテナンスにあててます。マッサージ、脱毛、シミ取り。あとは、加圧トレーニング。コロナになってからの2〜3年ほどは時間に余裕ができて、自分に目を向けられる時間が増えたので、いろいろ勉強になりました。
自分がサービスを受ける側になって体感してみると、初めて見えてくる世界があるんですよね。お客さまの気持ちとか、新たな気づきがたくさんありました。それで、食事も変えて計画立てて、結局、3年前から10kg落としたんですよ。

(※ 画像はイメージです)
――すごいですね!すると、何か変化がありましたか?
やっぱり全然違いますね。身体の変化と比例してメンタルも強くなってきたのを実感しています。いろんなものに対する考え方が変わりましたね。
もともと思ったことをすぐに発言しちゃうタイプだったんですが、言葉にして発する前に一呼吸おいて考えてみるようになりました。
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次回は、大野さんが考える「良い美容師」の条件についてお話を伺います。お楽しみに!
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